masakoさんにコメントを頂いた件で、長くなりそう部分をコメントでなく、記事にさせて頂きます。
masakoさんのコメントの一部をまずご紹介。
私個人的には「がんばる」という言葉がとても苦手です。
英語にはないですよね、この言葉。GOOD LUCKとかになるのでしょうか?
「がんばれ」はなんだか相手に無理をさせている気がするからです。
私達の世代まで位でしょうか?あまり、「頑張る」という言葉に抵抗を感じないで、当り前のように使い、受け止めて来た世代は。
あらゆるレベルで、本当に大変な時は勿論、ごくごく軽い場合にも使う。言われてしんどいと思わない時がない訳ではないですが、割合簡単に使ってきた言葉。
でも、最近の世代は、masakoさんのような感じ方をされる人の方がむしろ多いように思います。そして、ある面ではその方が良いのではないかと思います。
そういう事を感じるようになったのは、実はアメリカに初めて来た時に、隣の人が草木に水をやっていた時でした。ちょっと挨拶した後、日本語的、私の世代的感覚で、ごく軽い気持ちで「じゃね、頑張ってね!」と言おうとして、「頑張ってね!」に当る英語がどうしても出て来ませんでした。
それ以来、それを英語でどう言えば良いのか、ずっと考えました。辞書で調べると"Hang in there!"というのが出てくるけど、日常生活の中では殆ど聞いた事もないし、大げさな感じがする。水やりに言うには明らかにオーバー。普通に軽く「じゃ、頑張ってね!」というような時は何と言えばよいのだろう?と考え続けました。と同時に、日本人がいかに簡単にすぐ「頑張って!」と言うかにも気付かされました。
その時点での結論はmasakoさんと同じように"Good luck!"が一番近いんだろうなという事でした。強制的、道徳的な要素を差し引いて残った応援・激励の部分だけの表現になりますが。
それ自体、誤りではないと思うのですが、英語でも「頑張れ!」とか「頑張ろう!」という表現を、結構日常的に使うのだなと思うようになったのは、テニスの試合に出るようになってからでした。普段のお遊びテニスでは先ず出てきませんが、勝ち負けがチームに影響を与えてしまうような場ではよく使われているのです。それに関してはHang in!をご参照下さい。
だから、アメリカ人でも頑張らなければならない状況に置かれたら、出てくる言葉なのだろうと思います。映画などでも、そういう状況では先ほどの"Hang in there."と励ましたりするシーンを見かけます。ただ、やはり、日本でそういう時の圧迫感、強制感が、英語にはない感じがします。
英語だと、頑張るかどうかは本人の選択に任されているけど、日本的古い世代の感覚だと、頑張るべき、頑張らなければならないという道徳的強制が裏にある感じがします。オリンピックへの選手たちへの国全体を挙げての「頑張れ、頑張れ!」が、強烈なプレッシャーとなってしまったりするのが、良い例かと思います。その意味での「頑張れ」は英語にはない感じがします。そして、それは良い事のように思います。何をいつ、どのように頑張るか、それは本人の選択に任せて良いのじゃないかと。
ただ、先程のように軽い意味での「頑張ってね」という気持ちの表現も、日本語にはありますよね。世代で違ってくるかも知れませんけど。この意味での英語はどうなるのかなぁと考えると、"Good luck!"もそうですが、それよりもっと軽い場合は、最近、思うのですが、"Take care."とアメリカ人がよく言う気持ちに近い感じがします。
Take care.には「気を付けて」とか、「お大事に」とかいう意味が勿論ありますが、時々、別れ際にそう言われて、どちらの意味でも合わないな、日本語では何と訳せば良いのだろう、そういう時は?とずっと思って来ました。「無理しないでね。」という感じの時もあるけど、それより、もっと軽い感じの時。さよならと殆ど同義に使われているけど、でも、やはり、それなりの気持ちはある筈とずっと考えていました。
そういう具合に考えて行くと、「宿題(そう大量でない)頑張ってね」とか、「残業(短時間の)頑張ってね」とか、そうむきになる程頑張らなくてもよい事で、達成も充分可能な事で、でも軽く応援の気持ちを表わしながら(場合によっては言っている人も殆ど無自覚位の軽い感じで)別れる時、アメリカ人は"Take care."と言っている気がします。
英語にない日本語表現、日本語にない英語表現、そういうものにぶつかる度に、つくづく言葉は文化の産物だなぁと興味深く思います。ただ無いように見えても、気持ちでよく考えて行くと、辞書の直訳には載っていないけど、ああ、似たような気持ちからだなぁ、人間て同じようで違うし、違うようで同じだなと嬉しくなったりもします。
私が「こんな英語表現」のカテゴリーで伝えたいことは、それであるような気がします。
masakoさんのコメントの一部をまずご紹介。
私個人的には「がんばる」という言葉がとても苦手です。
英語にはないですよね、この言葉。GOOD LUCKとかになるのでしょうか?
「がんばれ」はなんだか相手に無理をさせている気がするからです。
私達の世代まで位でしょうか?あまり、「頑張る」という言葉に抵抗を感じないで、当り前のように使い、受け止めて来た世代は。
あらゆるレベルで、本当に大変な時は勿論、ごくごく軽い場合にも使う。言われてしんどいと思わない時がない訳ではないですが、割合簡単に使ってきた言葉。
でも、最近の世代は、masakoさんのような感じ方をされる人の方がむしろ多いように思います。そして、ある面ではその方が良いのではないかと思います。
そういう事を感じるようになったのは、実はアメリカに初めて来た時に、隣の人が草木に水をやっていた時でした。ちょっと挨拶した後、日本語的、私の世代的感覚で、ごく軽い気持ちで「じゃね、頑張ってね!」と言おうとして、「頑張ってね!」に当る英語がどうしても出て来ませんでした。
それ以来、それを英語でどう言えば良いのか、ずっと考えました。辞書で調べると"Hang in there!"というのが出てくるけど、日常生活の中では殆ど聞いた事もないし、大げさな感じがする。水やりに言うには明らかにオーバー。普通に軽く「じゃ、頑張ってね!」というような時は何と言えばよいのだろう?と考え続けました。と同時に、日本人がいかに簡単にすぐ「頑張って!」と言うかにも気付かされました。
その時点での結論はmasakoさんと同じように"Good luck!"が一番近いんだろうなという事でした。強制的、道徳的な要素を差し引いて残った応援・激励の部分だけの表現になりますが。
それ自体、誤りではないと思うのですが、英語でも「頑張れ!」とか「頑張ろう!」という表現を、結構日常的に使うのだなと思うようになったのは、テニスの試合に出るようになってからでした。普段のお遊びテニスでは先ず出てきませんが、勝ち負けがチームに影響を与えてしまうような場ではよく使われているのです。それに関してはHang in!をご参照下さい。
だから、アメリカ人でも頑張らなければならない状況に置かれたら、出てくる言葉なのだろうと思います。映画などでも、そういう状況では先ほどの"Hang in there."と励ましたりするシーンを見かけます。ただ、やはり、日本でそういう時の圧迫感、強制感が、英語にはない感じがします。
英語だと、頑張るかどうかは本人の選択に任されているけど、日本的古い世代の感覚だと、頑張るべき、頑張らなければならないという道徳的強制が裏にある感じがします。オリンピックへの選手たちへの国全体を挙げての「頑張れ、頑張れ!」が、強烈なプレッシャーとなってしまったりするのが、良い例かと思います。その意味での「頑張れ」は英語にはない感じがします。そして、それは良い事のように思います。何をいつ、どのように頑張るか、それは本人の選択に任せて良いのじゃないかと。
ただ、先程のように軽い意味での「頑張ってね」という気持ちの表現も、日本語にはありますよね。世代で違ってくるかも知れませんけど。この意味での英語はどうなるのかなぁと考えると、"Good luck!"もそうですが、それよりもっと軽い場合は、最近、思うのですが、"Take care."とアメリカ人がよく言う気持ちに近い感じがします。
Take care.には「気を付けて」とか、「お大事に」とかいう意味が勿論ありますが、時々、別れ際にそう言われて、どちらの意味でも合わないな、日本語では何と訳せば良いのだろう、そういう時は?とずっと思って来ました。「無理しないでね。」という感じの時もあるけど、それより、もっと軽い感じの時。さよならと殆ど同義に使われているけど、でも、やはり、それなりの気持ちはある筈とずっと考えていました。
そういう具合に考えて行くと、「宿題(そう大量でない)頑張ってね」とか、「残業(短時間の)頑張ってね」とか、そうむきになる程頑張らなくてもよい事で、達成も充分可能な事で、でも軽く応援の気持ちを表わしながら(場合によっては言っている人も殆ど無自覚位の軽い感じで)別れる時、アメリカ人は"Take care."と言っている気がします。
英語にない日本語表現、日本語にない英語表現、そういうものにぶつかる度に、つくづく言葉は文化の産物だなぁと興味深く思います。ただ無いように見えても、気持ちでよく考えて行くと、辞書の直訳には載っていないけど、ああ、似たような気持ちからだなぁ、人間て同じようで違うし、違うようで同じだなと嬉しくなったりもします。
私が「こんな英語表現」のカテゴリーで伝えたいことは、それであるような気がします。
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by bp2004
| 2005-05-26 02:44
| こんな英語表現