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about・ぶんの前身ブログです。こちらが本店、あちらが支店のつもりです。(笑)


by bp2004

お金

子供の頃、お金の話題って嫌いだった。お金の事でむきには絶対なりたくないと思っていた。お金より大事なものはたくさんあると思っていた。お金に振り回されるなんて情けないと思っていた。




父は姉と妹二人が未亡人になり、親友の奥さんも未亡人になり、それを公務員の給料で懸命に物心共に支えていた。安月給の代名詞みたいだったあの頃の公務員の給料では限度があって、もっぱら物より心の方が大きかったとはいえ、三軒ともなると、家の家計はいつも火の車。それでしょっちゅうという訳ではなかったけれども、喧嘩する両親を見て、お金のことで喧嘩する夫婦には絶対なるまいと思っていた。

今でもお金の話は好きじゃない。お金の事ではむきにならないので、人にはお金にきれいとか言われる。お金持ちでもないのに、選ばなければならない時はいつでも、得する方より損する方を選んでしまう。「きれい」という言葉が私に使われる唯一の領域かも。お金より大事なものがあるとも信じている。

でも、家計の事で結構喧嘩もした。お金に振り回されもした。お金がありさえすれば解決出来る事の何と多いことか!自分、友人、親兄弟、等々が抱えている問題で、あり余る程のお金があったら、助けて上げられるのにと思う事が何と多いことか!お金に振り回されている人が何と多いことか!振り回されざるを得ない人が何と多いことか!

喧嘩しながらも人の道を守った両親を今は尊敬する。振り回されても人の心を失わなかった両親を。自分達の父親はおじさんと思って育ったと、その三軒の家の、幼くして父を亡くし、今ではいい大人になっている彼等に言われている父を。それを支えた母も。

振り回されるのは仕方ないよね。お金って強力な力を持つ。でも、人の心だけは失いたくない。愛の道から外れたくない。外れないで欲しい。それを失って、それから外れて、手にするお金の価値がどんなものなんだろう?それに値するだけのものだろうか。どんなに振り回されても、それだけは忘れないでいようよ。

子供の時のようにロマンチックにお金を否定する気はない。ロマンチックで居てはいけない事も分かっている。お金に振り回される痛みも今は分かる。お金で解決する事がどれだけ大きいか、身を以て知っている。お金をたくさん持っていて、大抵の問題はそれで解決できる人は正直羨ましい、と言うか妬ましい位だ。

でも、でも、お金で失うものがどんなに大きいか、それも知っている。お金で得るものの代償に、時にどんな大きいものを失うか、それを忘れてはいけないという事も。

ねえ、みんな、、、忘れないでいようよ。
by bp2004 | 2005-03-06 03:29 | 瞑想の時